今回は、エヴァンゲリオンシリーズにおける、ゼーレの目的(ゼーレのシナリオ)、人類補完計画、死海文書、リリスとの契約、ゲンドウの目的との相違点等について考察します。
ゼーレの目的、ゼーレのシナリオとは
ゼーレの目的は、新世紀版(テレビアニメ版、旧劇場版、コミック版)、新劇場版を通して、人類補完計画を遂行することでした。
新劇場版の人類補完計画
提唱したのはゼーレと葛城博士
シンエヴァの、碇ゲンドウの補完シーンにおいて、人類補完計画に関する資料が描写されましたが、資料のタイトルは「人類補完計画(仮)プロジェクトエヴァンゲリオン提案大綱」となっており、ゼーレのマークが付されていました。
また、シンエヴァのAAAヴンダー甲板上において、ゲンドウは、葛城ミサトに対し、「セカンドインパクトと引き換えに自らの仮説を実証した君の父上、葛城博士の提唱した人類補完計画だよ」と言っていました。
つまり、人類補完計画を仕切っていたのはゼーレということになりますが、その基礎理論を提唱した葛城博士(ミサトの父親)もゼーレ関係者であったと考えられます。
目的:エヴァインフィニティと同化
新劇場版における人類補完計画の目的は、次のセリフに集約されています。
ゲンドウ「知恵の実を食した人類に神が与えていた運命は2つ。生命の実を与えられた使徒に滅ぼされるか、使徒を殲滅しその地位を奪い知恵を失い永遠に存在し続ける神の子と化すか、我々はどちらかを選ぶしかない。ネルフの人類補完計画は後者を選んだゼーレのアダムスを利用した神への儚いレジスタンスだが、果たすだけの価値のあるものだ」
赤木リツコ「私達は神に屈した人類補完計画による絶望のリセットではなく希望のコンティニューを選びます」
ミサト「私は神の力をも克服する人間の知恵と意思を信じます」
シン・エヴァンゲリオン劇場版 AAAヴンダー甲板上
つまり、「神」が人類に与えた次の「運命の2択」の内、2を選択するものが、人類補完計画の目的でした(これに対し、ヴィレは、いずれも選択しない道を望んでいた。)。
- 1 使徒に滅ぼされる。
- 2 知恵を失い永遠に存在し続ける「神の子」と化す。
ここでいう「神の子」とは、エヴァンゲリオンインフィニティを指していますが、エヴァインフィニティについては、別途考察しています。
なお、エヴァンゲリオンでは、「神」というワードが複数の意味で使用されますが、ここでいう「神」は、エヴァ世界の創造主である「制作者」を意味するものであると考察しています。
運命の2択の意味 原罪の排除
上記のとおり、神が定めた「運命の2択」は、「滅びるか、知恵を失うか」であり、「知恵を維持する」という選択肢はありません。これは、何を意味するのでしょうか。
聖書をモチーフにしているエヴァンゲリオンの世界観において、知恵の実を食べたことは神に背いた「原罪」であり、知恵を持つことは悪しきこととされています。
この点については、Qの、渚カヲルが碇シンジに対しサードインパクトの惨状を見せたシーンにおいて、次のように説明されています。
カヲル「生命とは本来世界に合わせて自らを変えていく存在だからね。しかし、リリンは自らでなく世界の方を変えていく。だから自らを人工的に進化させるための儀式(サードインパクト)を起こした。古の生命体を贄とし生命の実を与えた新たな生命体を作り出すためにね。全てが太古よりプログラムされていた絶滅行動だ。ネルフでは人類補完計画と呼んでいたよ」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q シンジに対するサードインパクトの説明
つまり、生命は本来世界に合わせて進化するものですが、知恵を持つ人類(リリン)は自らは進化しないで世界の方を変えてしまう悪しき存在なのだというわけです。
そのため、一旦自ら絶滅した上で、(知恵の実を失い)生命の実を持つ(永遠に生き続ける)新たな生命体(エヴァインフィニティ)へと人工的に進化させることが人類補完計画の目的だというのです。
手段:リリスとの契約とは
人類補完計画という目的を達成するためには、第2使徒リリスの力を借りる必要がありました。「リリスとの契約」と呼ばれるものです。
「リリスとの契約」を遂行することが、人類補完計画の実行であると言い換えることもできます。
「リリスとの契約」の内容は、概ね次のとおり整理できます。
- 1 セカンドインパクト:海の浄化
- 2 10体の使徒殲滅:運命の2択の内1つを否定
- 3 サードインパクト:大地の浄化
- 4 フォースインパクト:魂の浄化
- 5 種を保存する方舟をつくる
10体の使徒を殲滅する
上記のとおり、「リリスとの契約」の内容の1つには、使徒を10体殲滅することが含まれていました。
第4使徒殲滅後のゼーレモノリス06「使徒殲滅はリリスとの契約のごく一部にすぎん」
第6使徒戦におけるゲンドウ「いかなる手段を用いても我々はあと8体の使徒を倒さねばならん」
エヴァンゲリオン新劇場版:序
第6使徒戦までに、第4使徒と第5使徒を殲滅していたため、上記セリフから、使徒を全部で10体殲滅することが「リリスとの契約」の内容になっていたことが分かります。
また、10体の使徒を殲滅するのは、「契約の時」(サードインパクト)までに実行することになっていました。
ゼーレ「我らの望む真のエヴァンゲリオン(マーク6)。その誕生とリリスの復活をもって契約の時となる。それまでに必要な儀式は執り行わねばならん。人類補完計画のために」
エヴァンゲリオン新劇場版:破 エヴァ4号機消滅後
加持リョウジ「数が揃わぬ内に初号機をトリガーとするとは。碇司令、ゼーレが黙っちゃいませんよ」
エヴァンゲリオン新劇場版:破 ニアサードインパクト
加持が「数が揃わぬ内に」と言ったのは、「使徒はまだ8体しか倒していないのに」という意味だと考えられます。
ゼーレのシナリオでは、使徒を10体殲滅し、マーク6によってサードインパクトの儀式を行う予定でしたが、ゲンドウが使徒10体を殲滅する前に、しかも初号機によってニアサードインパクトを起こしたため、ゼーレの怒りを買い、ネルフは幽閉され、ゲンドウと冬月は失脚することになりました。
3つのインパクト(儀式)を発生させる
「リリスとの契約」の内容には、使徒を10体殲滅することの他、セカンド、サード、フォースの3つのインパクト(儀式)を行うことも含まれていました。
ゲンドウ「そうだ。セカンドインパクトによる海の浄化。サードによる大地の浄化。そしてフォースによる魂の浄化。エヴァインフィニティを形作るコアとは魂の物質化。人類という種の器を捨てその集合知をけがれなき楽園へといざなう最後の儀式だ」
シン・エヴァンゲリオン劇場版 フォースインパクト
上記のセリフでは、セカンドが海の浄化、サードが大地の浄化、フォースが魂の浄化であると説明されており、3つのインパクト(儀式)が、それぞれが独立した別個の役割を持つものであるようにも思われます。
しかし、3つのインパクトは、同じ効果を発生させる連続した1つの儀式であると考えます。
具体的には、毎インパクト時に、次の共通する効果が発生していたと思われます。
- 1 大爆発、コア化 コア化の考察はこちら
- 2 エヴァインフィニティの発生
- 3 1で死亡した生命の魂とエヴァインフィニティの同化
エヴァインフィニティは、劇中描写からサード、フォースにおいて発生したことは明らかですが、シンエヴァの旧南極セカンドインパクト爆心地跡に大量のエヴァインフィニティがいましたので、セカンドインパクトにおいても発生していたことが分かります。
また、エヴァインフィニティには、動く個体(ハイカイ)と動かない個体(Qでカヲルがシンジに対しサードの惨状を説明したシーンで登場)とがありますが、この違いは、死亡した生命の魂と同化したか否かの違いであると思われます(同化した個体がハイカイ、同化していない個体は動かない。)。
そして、セカンド、サード、フォースの3つのインパクト(儀式)が、別個のものでなく連続したものであることは、次のセリフからも読み取れます。
ミサト「翼…。15年前と同じ」
リツコ「そう。セカンドインパクトの続き。サードインパクトが始まる。世界が終わるのよ」
エヴァンゲリオン新劇場版:破 ニアサードインパクト
アスカ「まずいっ!第12の使徒がまだ生き残ってる」「サードインパクトの続きが始まる前に、こいつを片付ける!」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q (ニア)フォースインパクト
また、仮に3つのインパクトが独立した別個のものであるとすれば、次のセリフを説明することができません。
ゲンドウ「宿願たる人類補完計画と、諦観された神殺しは、私が行います。ご安心を」
ゼーレ01「我らの願いは既にかなった。よい。全てこれでよい。人類の補完、安らかな魂の浄化を願う」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q (ニア)フォースインパクト
上記のセリフは、フォースインパクト発動前のセリフですが、仮に3つのインパクトが独立した別個のもので、フォースインパクトというピースが揃わないと人類補完計画が完成しないのだとすれば、首謀者であるゼーレが、「我らの願いは既にかなった」とは言わないはずです。
上記のセリフは、セカンドインパクトとサードインパクトによって、地球上の大部分のコア化と、ほぼ全ての生命の魂をエヴァインフィニティと同化させることに成功したことからこそ、発せられたのだと考えられます。
種を保存する方舟をつくる
「リリスとの契約」の内容には、「ノアの方舟」(はこぶね)の神話のように、生命の種を保存する方舟をつくることも含まれていたと考えます。
もともとNHGネルフ戦艦の1つだったヴンダーは、人類補完計画の巻き添えで絶滅してしまう人類(リリン)以外の生命の種を保存する方舟として造られていました(他のNHG艦も同様かは不明)。
リツコ「このブロックが本艦本来の運用目的だったわね。あらゆる生命の種の保存。その守護のための、半永久稼働可能な無人式全自動型の方舟が、AAAヴンダー本来の姿」
ミサト「加持にとって、人類という種の存続は大した問題ではなかった。補完計画の巻き添えで消えてしまう多様な生命体を、自然のままこの世界に残すことが最重要だったのよ」
リツコ「そのためには、可能な限りの生命の種を地球圏外に避難させる。その計画実現を目指し、建造中だったこの艦をネルフから強奪。人の力では補完計画の阻止は不可能とも考えていたものね」
シン・エヴァンゲリオン劇場版 ヤマト作戦前のヴンダー内
ネルフ(ゲンドウ)には、種の保存、方舟を作るような動機は見当たりませんでした。
にもかかわらず、ネルフが方舟を建造した理由は、方舟を造ることが「リリスとの契約」の内容になっていたためであると考えられるわけです。
新劇場版におけるリリスは、人類(リリン)を含む地球上の全ての生命の始祖にもなっていましたので、自らの子孫の種を残すことを契約の一内容にしていたと考えることができます。
ミサト「この星の生命の始まりでもあり終息の要ともなる第2の使徒リリスよ。サードインパクトのトリガーとも言われているわ」
エヴァンゲリオン新劇場版:序 第6使徒戦
もし、ゲンドウが種の保存に興味を持っていたのであれば、わざわざ加持がヴンダーを強奪する必要もなかったはずです(ゲンドウが種の保存を考えていたのであれば、加持の利害と一致するため)。
ゲンドウは、「リリスとの契約」を守るために一応方舟を建造しましたが、種の保存には積極的でなかったため、加持がヴンダーを強奪し、方舟としての本来の役目を果たせようとしたと思われます。
死海文書外典とは
上記のとおり、人類補完計画を達成するには、「リリスとの契約」を遂行する必要があります。
しかし、契約といっても、リリスと直接コミュニケーションをとることはできませんので、リリスから契約の内容を聞いてサインするというようなものではありません。
「リリスとの契約」の内容は、ゼーレの教典である「死海文書外典」に記述されていました。
つまり、「リリスとの契約」=「死海文書外典」の記述内容ということができます。
以上のことは、次のセリフから読み取ることができます。
冬月「ゼーレはまだ、沈黙を守ったままか」
ゲンドウ「人類補完計画は、死海文書通りに遂行される。もはや、我々と語る必要はない」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q シンジが黒レイの部屋を見つけたシーンの後
ゲンドウ「死海文書の契約改定の時が来ました。これでお別れです」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q ゼーレの電源を切るシーン
「死海文書外典」の具体的な中身は、シンエヴァのAAAヴンダー甲板上のゲンドウの説明シーンで描写されました。
メソポタミア文明で使用されていた楔形文字(くさびがたもじ)のようなものと絵の組み合わせで記述されていました。
使徒、エヴァ、リリスなどの絵が見えました。
解読することはほぼ不可能ですが、おそらく、後述する新世紀版の「裏死海文書」と同様の内容が記述されていたのだと思われます。
元ネタは実在する死海文書
エヴァの死海文書外典は、その名のとおり、実在する死海文書が元ネタ、モチーフになっています。
実在する死海文書(死海写本)とは、1947年にイスラエル、ヨルダンと接する塩湖である「死海」周辺の洞窟で発見された、旧約聖書の写本、外典、偽典などの文書群のことを指し、20世紀最大の考古学的発見と言われています。
掟の書とは
なお、「死海文書外典」における使徒襲来に関する記載のことを「掟の書」(おきてのしょ)と言うようです。
カヲル「わかっているよ。あちらの少年が目覚め概括の段階に入ったんだろ」
ゼーレモノリス01「そうだ。死海文書外典は掟の書へと行を移した。契約の時は近い」
エヴァンゲリオン新劇場版:序 ラスト
ネルフには一部のみ開示
ゼーレは、マーク6の建造に関する記述等、死海文書外典の全容をネルフに開示していませんでした。
これは、ゲンドウによる裏切り(ゼーレを出し抜いて人類補完計画を独自に遂行されること)を警戒してのことだと思われます。
ゲンドウ「マーク6の建造方式が他とは違う。その確認で十分だ」
冬月「しかし、5号機以降の計画などなかったはずだぞ」
ゲンドウ「おそらく、開示されていない死海文書の外典がある。ゼーレはそれに基づいたシナリオを進めるつもりだ」
エヴァンゲリオン新劇場版:破 月面タブハベース
ゼーレとゲンドウの目的の違い
ゲンドウは、人類補完計画を実施する限りでは、ゼーレと目的は共通していました。
しかし、フォースインパクトからは、ゼーレの地位をゲンドウが引き継ぎました。
ゲンドウは、ネブカドネザルの鍵を使用することで、死海文書外典等の情報を自身にインストールすることで、ゼーレと対等の存在となり、人類補完計画の残部を実行できる立場になりました。
冬月「ゼーレの少年(カヲル)が第3の少年(シンジ)と接触。外界の様を見せたようだ。はたしてどう受け止めるのか…いいのか?碇」
ゲンドウ「ゼーレのシナリオを我々で書き換える。あらゆる存在は、そのための道具にすぎん」(ネブカドネザルの鍵のカット)
エヴァンゲリオン新劇場版:Q
ゲンドウ「死海文書の契約改定の時が来ました。これでお別れです」
エヴァンゲリオン新劇場版:Q ゼーレの電源を切るシーン
上記セリフの「契約改定」とは、「リリスとの契約」の当事者が、ゼーレからゲンドウに変わったこと、カヲルを第13使徒として新たな殲滅対象にしたことを意味していると思われます。
ゲンドウがゼーレを引き継いで「契約改定」した目的は、人類補完計画+αとして、「ゲンドウの神殺し」であるアディショナルインパクトを起こすことにありました。
新世紀版(旧作)の人類補完計画
新世紀版(テレビアニメ版、旧劇場版、コミック版)の人類補完計画は、新劇場版と類似する点が多いものの、以下のとおり相違点もあります。
目的:人類の単一生命化
新世紀版の人類補完計画の目的は、人類(リリン)は地球の正当な継承者(アダム系の生物である使徒)でなく、リリスより生まれた偽りの継承者であり、不完全な群体(寿命があるなど1人では生きていけない存在)であるため、全ての人類をLCL化(ATフィールドを失い液状化)させ、単一の完全な生命体へ生まれ変わらせることでした。
ゼーレ「偽りの継承者、黒き月より生まれし我らが人類。この地に無節操にはびこり、お互いを理解できぬまま憎しみ合い、傷つけ合うことしかできぬ愚かな生き物。偽りの継承者であるがため未来に行き詰った我々に残された希望はただ1つ。神の子として正当な継承者に生まれ変わることなのだ」
コミック版第11巻 「アダムの末裔」
ミサト「出来損ないの群体として既に行き詰った人類を完全な単体としての生物へと人工進化させる補完計画。まさに理想の世界ね。そのために、まだ委員会は使うつもりなんだわ。アダムやネルフではなくあのエヴァ(初号機)を。加持君の予想どおりにね」
旧劇場版Air
新劇場版で人類の魂が同化したエヴァインフィニティは多数の個体があり、単一の生命ではありませんでしたので、この点が違っています。
リリスとの約束
テレビアニメ版第23話において、ひも型の第16使徒アルミサエルを殲滅した後、ゼーレは、次のように述べていました。
「ついに第16の使徒までを倒した」
「これでゼーレの死海文書に記述されている使徒はあと1つ」
キール「約束の時は近い。その道のりは長く犠牲も大きかったな」
テレビアニメ版 第23話
つまり、死海文書によれば、第17使徒までの全ての使徒を殲滅した後、「約束の時」が来るということになります。
「約束の時」とは、リリスとの約束の時であり、新劇場版の「契約の時」に対応している、つまりサードインパクトの発動を指していると思われます。
つまり、劇中で明言はされていませんが、新世紀版では、「リリスとの契約」ではなく「リリスとの約束」だったと考えることができます。
殲滅すべき使徒の数
新劇場版の「リリスとの契約」で倒すべき使徒は10体でしたが、テレビアニメ版の「リリスとの約束」においては、上記セリフのとおり、第3~第17使徒までの計15体でした(コミック版では使徒の数が少なかったため計11体でした。)。
必要な儀式はサードインパクトのみ
新劇場版の人類補完計画では、セカンド、サード、フォースの3つのインパクト(儀式)を行う必要がありましたが、新世紀版ではサードインパクトのみが必要な儀式でした(セカンドインパクトは計画の一部ではなく、アダムを卵に還元しようとした結果生じたもの)。
ミサト「15年前のセカンドインパクトは人間に仕組まれたものだったわ。けどそれは、他の使徒が覚醒する前にアダムを卵にまで還元することによって被害を最小限に食い止めるためだったのよ」
旧劇場版Air
裏死海文書とは
新劇場版では、「リリスとの契約」の内容を記した古文書は「死海文書外典」でしたが、新世紀版では「裏死海文書」と呼ばれていました。
旧劇場版パンフレットによれば、ゼーレが行動の指針としている書物であり、ゼーレは、「裏死海文書」の記述に従い、エヴァを建造し、使徒との闘いを展開していたと説明されています。
また、コミック版では、次のように説明されていました。
加持「そのゼーレが所有し、彼らの教典ともなってる死海文書。人類がこの世に現れた時には既にそこにあったと言われる謎の古文書。俺の調べた事が正しければ、その古文書は一種 予言書のようなもので、人の歴史の全てが示されている。今までのことも、そしてこれからのことも…」
コミック版第5巻 「アクアリウム」
ゲンドウの目的とは
ゼーレの目的ではゼーレ自身も補完の対象になっていたのに対し、ゲンドウの目的は、神の子として生まれ変わるのでなく、自らが神になることでした。その準備のため、ゲンドウはアダムの肉体を自身に移植していました。
ゼーレ01「ネルフ。そもそも我らゼーレの実行機関として結成され、我らのシナリオを実践するために用意されたもの。それが今は一個人(ゲンドウ)の占有機関と成り果てている」
ゼーレ05「神と等しき力を手に入れようとしている男(ゲンドウ)がいる」
ゼーレ02「パンドラの箱を我々より先に開け、そこにある希望が現れる前に閉じ込めようとしている男(ゲンドウ)がいる」
コミック版第11巻 「アダムの末裔」
ゼーレ「碇ゲンドウ。我らに背き、滅びを拒み、自らの補完を目論む者。彼には、死をもって償ってもらおう」
コミック版第11巻 「欠けた心」