新劇序冒頭の巨人型の白線と全エヴァ素体まとめ

 今回は、エヴァンゲリオン新劇場版における、序冒頭に描写された白線の巨人跡の正体と、エヴァの素体について考察します。

人型の白線

白線の巨人跡の正体

 序の冒頭で、山の中腹に巨人が横たわったような形に白線が引かれている描写がありましたが、あれは何だったのでしょうか。

リリスではない

 巨人型の白線の描写の後、葛城ミサトが碇シンジを迎えに行くシーンになりますので、あれはネルフ本部(箱根)付近、少なくとも日本であると思われます。

 そうすると、リリスが横たわった跡なのではないかと考えることができます。

 しかし、白線は、リリスと比べるとかなりスリムに見え、形が合わないと思われます。

他の使徒でもない

 また、あれは他の使徒でもないと思います。

 使徒の中で巨人型なのは、リリスの他、序の冒頭に登場した第4使徒のみですが、巨人型の白線とは肩や頭部の形が合いませんし、山の描写が第4使徒の出現シーンよりも前なので、第4使徒の跡でもありません。

零号機又は初号機でもない

 あの山が日本であるとすれば、巨人型の白線は、序の冒頭の時点でネルフ本部にいた零号機又は初号機が横たわった跡だったと考えることもできます。

 しかし、あれが零号機又は初号機だとすると、上に突き出た肩パーツが無いことと、白線の周囲が赤くコア化していたことの説明ができません。

エヴァの素体:アダムスの生き残り

 巨人型の白線がリリスでも他の使徒でもエヴァでもないとすれば、エヴァの「素体」であると考えることができます。

 「素体」とは、装甲やエントリープラグを装着する前のエヴァの原形のことです。

 白線が「素体」の形をなぞったものだったとすれば、肩パーツがないことの説明がつきます。

 そして、新劇場版でエヴァの「素体」となり得るものと言えば、リリスとアダムスしかいません。

 新劇場版にアダムがいないことの考察はこちら

 上記のとおり、巨人型の白線がリリスのものではないとした場合、「素体」になり得るものの残りはアダムスしかいません。

 白線の周囲が赤くコア化していたことについても、あれをアダムスが横たわった跡であるとすれば説明できます。

 Qの、(ニア)フォースインパクトを止めるために擬似シン化した第13号機をマリの8号機が捕まえたシーンにおいて、第13号機を掴んだ8号機とマリの手が赤く発光し、コア化浸食が生じました。

 同シーンの画コンテ1459にも、「接触面からコア化浸食が発生する」と明記されています。

 その後、AAAヴンダーで運ばれた8号機は、その両腕が無くなっていました。

 第13号機に触れただけで、両腕を失うほどのコア化浸食が生じたということです。

 そうすると、覚醒したアダムスであれば、横たわっただけでも周囲の土地を赤くコア化させることも可能であると考えます。

 コア化の考察はこちら

 第13号機がネルフ本部で建造されたことからすると、その近くにあった白線の巨人跡は、第13号機の素体になった「アダムスの生き残り」のものと考えられます。

 白線の巨人跡は腕が2本であるのに対し、第13号機の腕は4本あるため、形が合わないようにも思われますが、第13号機は、通常時は2本の腕を胸元に畳んでいるため、矛盾しないと思われます。

アダムスが運ばれたのはセカンドインパクト後

 では、巨人型の白線のアダムスは、いつあの場所に来たのでしょうか。

 上記のとおり、触れた物を強力にコア化浸食させるには、アダムスが覚醒状態にあることが必要だと思われます。

 アダムスが覚醒した時点は、セカンドインパクトを起こした時しか考えられません。

 セカンドインパクトの後、アダムスの1体があの山へ運ばれ、山腹に横たわり、周囲の土地を赤くコア化浸食したのだと考えます。

 セカンドインパクトの考察はこちら

他のアダムスも世界各地に運ばれた

 破の、碇ゲンドウと冬月コウゾウが宇宙からセカンドインパクト爆心地を眺めるシーンにおいて、ゲンドウは、「だがしかし、この惨状を願った者達もいる」と言っていました。

 また、シンエヴァのAAAヴンダー甲板上において、ゲンドウが、ミサトに対し、「セカンドインパクトと引き換えに自らの仮説を実証した君の父上、葛城博士の提唱した人類補完計画だよ」と言っていました。

 つまり、セカンドインパクトは、人為的にコントロールされた状況下で起こされたものであると言えます。

 そうだとすれば、セカンドインパクトを起こしたアダムス達も、人為的なコントロール下にあったと考えることができます。

 そのため、上記のとおり、セカンドインパクトを起こしたアダムスの内の1体は、その役目を終えた後、巨人型の白線の場所まで運ばれたのだと考えます(セカンドインパクト時の爆発で吹き飛ばされたとも考える余地もありますが、偶然日本に飛んで来たとは考えにくいです。)。

 ところで、シンエヴァで描かれた旧南極セカンドインパクト爆心地跡には、4本の立った十字架と1本の傾いた十字架がありました。

つまり、セカンドインパクトの現場には、5体のアダムスがいたと思われます。

 日本に運ばれた白線の巨人跡のアダムス以外の他の4体のアダムスも、ユーロネルフ、北極ベタニアベース、北米ネルフなどにそれぞれ運ばれたと考えます。

 このことは、シンエヴァの、新ネルフ本部が旧南極セカンドインパクト爆心地まで来たシーンにおいて、冬月が、「セカンドインパクト。その呪われた爆心地か。アダムスの器は全て揃った」と言ったことからも伺われます。

 「全て揃った」ということは、アダムスの器が世界各地に分散されていたと考えることができるからです。

 世界各地に運ばれたアダムスは、それぞれの場所でエヴァの「素体」として活用されていたのではないでしょうか。

オリジナル素体とコピー(クローン)素体

 なお、エヴァの「素体」には、オリジナルをそのまま「素体」にしたものと、オリジナルのコピー(クローン)を「素体」にしたものの2種類が存在します。

 この点に関し、腹部装甲パーツの数が3本の機体はオリジナルが素体に、2本の機体はコピーが素体になったものであると考えています。

 機体の腹部装甲パーツの数の考察はこちら

全エヴァの素体一覧まとめ

 以上を踏まえ、新劇場版における全エヴァの素体を検討します。

初号機の素体

 初号機は、唯一のリリスのコピーであると考えます。この点は別途考察しています。

 初号機が唯一のリリスのコピーであることの考察はこちら

零号機、2号機~仮設5号機、8号機の素体

 零号機、2号機、3号機、4号機、仮設5号機、8号機は、アダムスのコピーが素体であると考えます。

 零号機については、ネルフ本部(日本)で建造されたと思われるため、巨人型の白線のアダムスのコピーなのではないかと考えられます。

 零号機の考察はこちら

 2号機については、破の「最強の拒絶タイプ」第10使徒戦で、獣化第2形態になっても歯が立たなかったことについて、同シーン画コンテ1558の赤木リツコは、「これが再現型エヴァの限界なのね」と言うことになっていました。再現型とは、コピーであることを示していると思われます。

 2号機の考察はこちら

 仮設5号機の考察はこちら

 なお、後述のとおり、アダムスのオリジナルを素体にした機体にはATフィールドが発生しませんが、アダムスのコピーを素体にした零号機、2号機~仮設5号機、8号機にはATフィールドが発生します。

 理由は、ATフィールドの発生源はコアであるところ、これらの機体のコア(着脱交換式コアユニット)は、リリスのものが使用されているためであると考察しています。

 コアとATフィールドの考察はこちら

マーク6の素体

 月面タブハベースで発掘されたアダムスのオリジナルが素体であると考えています。

 マーク6の正体の考察はこちら

マーク7(エヴァ7シリーズ)の素体

 シンエヴァの新ネルフ本部への突入シーンで大量に現れた骸骨(ドクロ)頭の機体ですが、ミサトからは「雑魚に構うな」と、アスカからは「エヴァもどき」と言われていました。

 「もどき」とは、似せて作ったものを意味しますので、エヴァになり得ないものからエヴァに似せて作ったものということができます。

 私は、マーク7シリーズはエヴァインフィニティが素体になっているものと考えています。

 マーク7シリーズの考察はこちら

マーク9~12(アダムスの器)の素体

 セカンドインパクトを起こしたアダムス達のオリジナルの「コア」が素体になったと考えています。

 アダムスの器の考察はこちら

第13号機の素体

 第13号機は、アダムスのオリジナルである「アダムスの生き残り」が素体です。

 上記のとおり、第13号機がネルフ本部(日本)で建造されたことからすると、白線の巨人跡を作ったアダムスのオリジナルは、第13号機の素体になった「アダムスの生き残り」だったのではないかと考えられます。

 第13号機の考察はこちら

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